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 この分類にしたがって阪神・淡路大震災における地方公共団体の情報システム部門の被害状況や復旧作業の調査から得た課題を整理すると、表-7のとおりである。

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 以下、表-7の各課題について説明する。

 1)バックアップ電源の損傷による電力供給停止

 コンピュータシステムヘの安定した電源供給を目的として設置されているバックアップ電源自身が損傷を受けて使用不能になり、電源系統の設計によってはバックアップ電源の設置が原因となって運転再開に手間取る可能性のあることが確認された。

 2)無事な機器を損壊を受けた建屋から運び出す場合があったこと

 コンピュータシステムの早期復旧のために、損壊した建屋の中にシステム部員が入って、無事な機材を運び出す場合があったことが確認された。これは人命優先の観点からは非常に危険なことである。

 3)空調ないし冷却設備における水冷関連施設の倒壊

 クーリングタワーの倒壊など、コンピュータシステムの安定稼動の要となる熱対策関連の設備の地震対応が手薄だったことが確認された。

 4)直下型地震に対するフリーアクセス床の強度確保

 固定措置を施していないフリーアクセス床については、直下型地震の場合、脱落などが発生する可能性のあることが確認された。

 

 

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